BTOパソコンを購入した際に、モニターと接続するケーブルを購入し忘れていたと話しましたね。
それに関連して、ケーブルや接続端子について今回は紹介しようと思います。
ノートパソコンやスマートフォンの普及でデスクトップの需要も減り、
今はケーブルを購入する人も少なくなったかもしれませんが、知っておいても損はないと思われます。
パソコン本体とモニターの接続端子、それらを繋ぐケーブルに関するトラブルは意外と少なくないそうです。
購入の際には、この記事だけでなく検索したりしてよく調べておきましょう。
接続端子の種類
現在使われている接続端子は、主に以下の5つです。
VGA(D-sub15ピン)、DVI、HDMI、DisplayPort、USB Type-C
端子の大きさなど、違いは色々ありますが、
一番注目すべき点は、アナログとデジタルのどちらの信号を送るものかでしょう。
アナログはデジタルと比較して、画質の劣化があったり安定性で劣ります。
その為、現在はデジタルが主流となっています。
テレビも映像の綺麗なデジタルに変わりましたよね。
それでは、それぞれの端子について説明しましょう。
VGA(D-sub15ピン)
かつての主流だった接続端子が、VGA(D-sub15ピン)です。
“かつての”という点から想像できると思いますが、こちらはアナログ信号です。
そして、このVGAは映像のみ伝送可能です。
2015年くらいまでの安価なディスプレイの場合、端子がVGAだけということがあります。
新製品には使われてないでしょうから、量販店などでモニターを買うなら気にしなくてOK。
ただ、昔の製品も扱っている通販やお店を利用、あるいは中古を購入予定であれば注意が必要です。
安く済ませたいならおすすめですが、画質などに拘りたい方は注意しておくと良いでしょう。
ちなみに、私はデュアルモニターにしているのですが片方はこれです。
現状、なんら不満は感じません。
ただ、二点ほどミスをして出費がかさんでしまいましたが…
その話は後で出てきます。
【難解?】DVI
私が一番ややこしいと思っているのがDVI(Digital Visual Interface)。
DVIにはいくつか種類があるのですが、それらの形が似ているのです。
細かい仕様の違いを入れると、DVIは5種類あります。
- DVI-I シングルリンク(アナログ・デジタル兼用)
- DVI-I デュアルリンク(アナログ・デジタル兼用)
- DVI-D シングルリンク(デジタル)
- DVI-D デュアルリンク(デジタル) ※別名:DVI-DL
- DVI-A(アナログ)
DVIはVGAと同様、映像のみ伝送できます。
それぞれのコネクタ形状は次のようになっています。
並べると違いがよく分かると思います。
大きく分けると3種類
5種類もあるDVIですが、まずは分かりやすいよう大きな区分から説明します。
基本はDVI-I、DVI-D、DVI-Aの3種類。
DVI-Iは、アナログとデジタルの両方に対応していて、VGA(アナログ)と互換性があります。
そのため、安定性の高い変換ケーブルが作りやすく重宝されているイメージがあります。
私もDVI-I⇔VGA変換ケーブルを購入しました。↓
パソコン本体にDVIやHDMIの端子しかないのに、間違えてVGAモニターを購入してしまっただけですが(苦笑)
VGAでミスを~と書いた一つがこれです。恥ずかしい…
このようなケーブルがあって非常に助かりました。
話を戻します。
DVI-Dはデジタル専用です。
今では使う人は少ないでしょう。
ただ、もしかしたらマルチモニターとかで使うかもしれないので一応覚えておきましょう。
DVI-Aはアナログ専用ですが、こちらもVGAの方がメジャーなのであまり使わないでしょう。
というよりも見た記憶がないです。
他のDVIと間違えないようにだけ注意しましょう。
勘のいい人は気付いたと思いますが、それぞれIntegrated(統合された)、Digital(デジタル)、Analog(アナログ)の頭文字が末尾についています。
これは覚えておくと良いかも?
DVI-IとDVI-Dには、シングルリンクとデュアルリンクの2タイプがある。
基本3種類だけなら良かったのですが、DVIがややこしいのはDVI-IとDVI-Dにはそれぞれ2タイプあるということ。
対応できる解像度の違いなのですが、これが間違う要因の1つになっています。
シングルリンク(Single Link):解像度1920×1200まで対応
デュアルリンク(Dual Link):解像度2560×1600まで対応
詳しく言うと「ピクセルクロック周波数が165MHz未満か以上か」なのですが、解像度の方が分かりやすいはず?
デュアルリンクはシングルリンクを兼ねており、より多くの情報の伝送が可能です。
解像度1920×1200まではどちらを使っても問題ないのですが、高解像度のモニターを購入予定ならデュアルリンクの必要があるので注意しましょう。
さらに、上にも書いてありますが、「DVI-D デュアルリンク」は別名「DVI-DL」と表記されていることも…
DVI-D Dual Linkを省略しているのは分かるのですが、止めてほしいですね。
互換性について
プラグの画像を見ても分かりますが、DVI-I端子にDVI-Dケーブルを繋げられます。
逆に、DVI-D端子にDVI-Iケーブルは繋げられません。
そう、いくつかは互換性があるんです。
ある意味救いですが、混乱する要因とも言えます…
IとDの端子(メス、凹)側はデュアルリンクでも入るようになっています。
では、どの接続先に対してどのケーブルが使えるのか。
表にまとめると次のようになります。
接続先の端子 | 接続できるケーブル |
DVI-I | DVI-I(シングルリンク) DVI-I(デュアルリンク) DVI-D(シングルリンク) DVI-D(デュアルリンク) DVI-A |
DVI-D | DVI-D(シングルリンク) DVI-D(デュアルリンク) |
DVI-A | DVI-A |
表を見ると、とりあえずDVI-Dのケーブルを買っておけば良い感じがしますね。
実際、今はDVIの中で一番使われるのはDVI-Dなので間違いとは言えないです。
ただ、私のようにVGA変換ケーブルを使いたい場合もあると思うので、パソコンとモニターの仕様をよく確認しましょう。
購入の際は商品説明をよく読むこと
一番用心しておくべきことは、DVI-IとDVI-Dを間違えないようにすることです。
“DVI-Dのケーブルが欲しかったのにDVI-Iだった”ということが、結構多いようです。
実際、上記で紹介した私が購入したBUFFALOの「DVI-Iアナログ変換ディスプレイケーブル」のレビューでもそのような報告が沢山ありました。
低評価の中には、↓のようなコメントもありました。
「DVIの形状に種類があるとは知らなかった。使い物にならず、無駄なお金を使ってしまった。商品説明にきちんと、DVIの形状にも種類があると書いて欲しかった。」
こんなことにならないよう、購入の前には必ず確認をしましょう。
商品名にDVI-Iと書いてある上に、
「DVI-I(29ピン)対応の液晶ディスプレイとD-sub15ピンのパソコン、またはD-sub15ピン仕様の液晶ディスプレイとDVI-I(29ピン)対応のパソコンを接続するケーブル」
と商品説明にも記述がありましたけどね。
先に調べておけば、気付けたかもしれません。
DやIと書いてあればいいですが、DVIまでしかなく説明文にしか詳細が載ってない場合もあるのでよく確認しましょう。
説明文にすら詳細な規格が書いてないなんて場合もあるので要注意です。↓
Q&Aやレビューに書いてくれている人がいますが、これはDVI-DLケーブルのようです。
【主流】HDMI
VGAなどに代わって主流になったのがHDMI(High-Definition Multimedia Interface)です。
映像だけでなく音声や制御信号もまとめてデジタル伝送できる通信規格です。
パソコンだけでなく、テレビやレコーダーなどの家電でも見かける端子です。
このHDMIにもタイプがあるのですが、大きさが異なるためDVIより分かりやすいです。
名前もAタイプといったようにややこしくないのもポイント高いですね。
Aタイプが一般的なHDMIになります。パソコンモニターは基本これです。
Bタイプは、Aタイプよりも幅広で高解像度対応(DVIでいうデュアルリンク)のために開発されたのですが、通常のAタイプで事足りてしまい使われていません。
CタイプやDタイプは小型のHDMIで、スマホやデジカメなどで使われています。
Eタイプはカーナビなど車で使われる規格です。
固定があまい(ぐらつく)等のデメリットもありますが、とりあえず困ったらこれを選択しておけば良いのではないでしょうか。
HDMIは、ノートパソコンのディスプレイが異常をきたした時に大変お世話になりましたね。
テレビとレコーダーを繋いでいたHDMIケーブルを使って、パソコンの画面をテレビに出力して作業していました。
【高性能】DisplayPort
名前にディスプレイとあるように、DisplayPortはディスプレイ向けに開発された規格です。
HDMIがパソコンを含めた家電向けとするなら、DisplayPortはパソコン特化という感じでしょうか。
デスクトップを使っている人は馴染みのある規格でしょう。
HDMIと同様に映像・音声・制御信号をまとめてデジタル伝送できます。
スペック(最大解像度、最大Hz)がHDMI等よりも高性能になっています。
大きな特徴としては、数珠つなぎ(デイジーチェーン接続)することでマルチディスプレイを実現できることでしょう。
パソコン周りはケーブルがごちゃごちゃしがちですが、すっきりさせることができます。
高性能なDisplayPortですが、面倒な面もあります。
それは、モニターの電源がオフになると、アイコンやウインドウの位置情報などがリセットされてしまうというもの。
DP(DisplayPort)問題と呼ばれています。
DirectXを使ったソフトが落ちたりすることもあるようです。
HDMIなどはモニターの電源を切ってもパソコンとの接続自体(ホットプラグ信号)は途切れませんが、DisplayPortの場合は認識が外れてしまいます。
回避策はいくつかありますが、一番確実なのは対策が施されたモニターを買うことです。
EIZOのモニターが有名どころでしょうか。
ホットプラグ信号を維持する中継アダプタを買うのも手ですが、モニターで対応した方が楽でしょう。
端子を弄ることで解決できなくはないですが、そちらは自己責任となるのでおすすめしません。
上記の問題やHDMIが一般に広く普及したせいで陰に隠れてしまい、いまいちパッとしない印象。
同じような機能を持つUSB Type-Cの登場でさらに存在感が…
恐らく今後も高性能ゆえに残りはするものの、影が薄いまま終わりそうな気がします。
【今後の主流?】USB Type-C
最後に紹介するのは、スマートフォンなどでお馴染のUSB Type-Cです。
USB Type-Cはただの充電規格と思っている人も多いかもしれませんが、映像・音声・制御信号をデジタル伝送できます。
詳しく言うと、HDMIやDisplayPortなどの別規格の信号を扱えるモードを備えています。
さすがにスペックはDisplayPortに劣っていたりしますが、HDMIやDisplayPortのおいしいとこ取りしたようなケーブルです。
DisplayPortと同様、数珠つなぎできるのでケーブルもすっきりです!
注意点としては、USB3.1対応のケーブルを買う必要があるということ。
USB2.0ではモニター出力できないのでご注意を。
USB3.1対応となるとモニターどころかケーブルすら高めですが、いずれ安くなってスマホだけでなくパソコンでも主流となる気がします。
非常に有用性のある規格ですが、接続口が他に比べ破損しやすい気がします。
修理屋に勤めていた時も、USB Type-Cの充電口の修理件数はそこそこありました。
雑に扱うのは控えた方が良いでしょう。
Blu-ray Discを再生するなら、デジタル伝送のケーブルとモニターを使いましょう!
ドラマ等のBlu-ray Disc(ブルーレイ)をパソコンで見ようと思っている方は、HDMI等のデジタル伝送対応のケーブルとモニターを購入しましょう。
何故かと言うと、デジタルでないと再生できないから。
2011年頃からだったと思いますが、デジタル出力でないと再生できないようソフトウェア側の仕様が変わっていきました。
昔はアナログでも再生できたような気がしますが、今は恐らく無理です。
できても色々面倒なはず。
VGAの失敗談の二つ目がこれ。
このことは知っていたのですが、すっかり忘れていて、いざ再生しようとした時にエラーが出て「あっ、しまった!」と思い出す失態ぶり。
HDMIのモニターとケーブルを新たに購入することになりました。
デュアルモニターにして両方活用したから良かったものの、私が一つのモニターで満足する人間だったら無駄になるところでした。
何回も買い物するはめにもなりましたし…
調べてみると、ケーブル選びでの失敗談は結構多いようです。
私のようにならないよう、皆さんもよく確認しましょう。