売上・利益を伸ばす心理効果!商売・ビジネスに使える心理学
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ご無沙汰しております。
つい先日、10/31のハロウィンが過ぎ去ったと思ったら、もう11月も終わり。
今年も残り1ヶ月となりました。
これからの時期と言えば、様々なものが売れる年末商戦(歳末商戦)の時期!
12/25のクリスマスプレゼント
正月のおせち料理
お歳暮
etc…
需要が重なる以外に、12/10のボーナスの存在も大きい。
その為、様々なお店が工夫を凝らして購買意欲を高めてきます。
それが終わったら、年始商戦で福袋などが待っています。
というわけで、今回は商売やビジネスに関係したお話をします。
普通なら「今年はこれが買いだ!」とおすすめ商品を紹介したり、「何処のお店でどう買えば良いか?」(セール、クーポン、抽選、ポイント等)といったお得情報を共有したりするところですが、今回は売る側の人に役立つ心理学を紹介していきます。
店舗を設けた商売はもちろん、現物を触らせることが難しいアフィリエイト等のネットビジネスにも利用できると思います。
では、私が有効だと思う心理効果を紹介していきます!
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バーナム効果(フォアラー効果)
最初に紹介するのは、バーナム効果(フォアラー効果)です。
バーナム効果とは、誰にでも当てはまるような曖昧だったり一般的な話を自分に当てはまるものだと考えてしまう現象のこと。
「これは自分に必要だ」「欲しい!」と思わせるためにバーナム効果は非常に役立ちます。
例えば、通販番組でダイエット器具や食品を紹介している時に
「最近お腹周りのお肉が気になる…」
「簡単手軽に痩せたい!」
「でも、運動や食事制限はきついし…」
「今まで色んな商品を試したけど上手くいかなかった(止めてしまった)」
みたいなフレーズをよく聞きますよね?
これは、痩せたい人達誰もが考えていることです。
しかし、自分に当てはまることをいくつも言われたり聞いたりすると「確かに気になる…」「うん、そうだね」と納得してしまうものなのです。
1つでは効果が薄いですが、複数該当することを提示できれば高い効果が期待できます。
美容なら「最近肌がカサカサに…」「シワやたるみが気になる!」とかですね。
この効果で関心を高めた後、セールスしていきます。
「この商品なら激しい運動をしなくても痩せられる!」
「これ1本で若々しくきめ細やかな美肌に!」
というように商品紹介を続けていくわけです。
是非、商品紹介のPOPなどにも組み込んでみてください。
余談ですが、占い師やカウンセラーなど様々な人がこの効果を利用しています。
実際には不特定多数の人に当てはまることしか言われていないのに、自分の悩みをいくつも的確に言い当てられたように錯覚してしまい
「この人は凄い人だ!」「私のことを理解してくれてる!」
と感じて信用あるいは信奉してしまうわけです。
ここまでくれば、もう成功したも同然な状態。
話を引き出す必要もなく、自発的に話を聞かせてくれるようになります。
ゴルディロックスの原理(ゴルディロックス効果)と極端の回避性(松竹梅の法則)
続いては、ゴルディロックスの原理(ゴルディロックス効果)です。
これは、複数の選択肢の中で人はちょうど良い加減のものを選択するという心理的傾向のこと。
極端な選択よりも無難な選択がされやすいということです。
簡単に言えば、大中小だと中が選ばれやすいみたいなもの。
由来は、イギリス童話「3びきのくま」の主人公である女の子ゴルディロックスがちょうど良いものを選んでいくところからきているらしいです。
極端の回避性(松竹梅の法則)も似たようなものです。
3つの価格帯を用意すると中間の価格のものを選ぶ傾向があるというもの。
懐石料理やお寿司、うなぎを食べに行くと「松・竹・梅」「特上・上・並」みたいな3つの選択肢が用意されていたりしますよね?
あれはこの効果を狙っていたりします。
売上はおよそ2:5:3程度の割合になるそうです。
うな重やうな丼の値段が
特上:7,000円
上:5,150円
並:3,500円
とあれば、上を選ぶ人が多いのです。
※調べてみたら、実際にこのような値段設定のお店がありました。
値段の設定は、提供するものや経済状況によっても変わるため正解はありませんが、6:4:3くらいが良いと言われることが多いです。
重要なポイントは
- 類似の品やサービスか否か
- それぞれの価格にちゃんと見合っているか
- 選択肢を増やしたり減らしたりしない(できるだけ3択にする)
です。
1つ目は言わなくても分かると思いますが、全く関係ないものを3つ用意しても比較する意味がありません。
2つ目は、説得力の問題とクレーム対策のためです。
例えば、一番高い商品が中間のものと大差なかったり、全体的に高めの料金設定なのに粗雑なものばかりだったらおかしいですよね?
価格の比率が良くても、適正な価格でなければ選んでもらう以前に帰られてしまいます。
クレーム程度ならまだマシですが、訴えられたりしたら最悪です。
そして、一番重要なのは3択にしておくことです。
実は、2択にすると価格の安いものの方が売れやすい傾向にあります。
上の例で、「上:5,150円」と「並:3,500円」だけにすると並が選ばれるというデータが出ています。
反対に選択肢が増えると、比較し難くくなってきます。
あれこれ考えるうちに面倒になり、どれも選ばずに立ち去る可能性も増します。
選択肢を増やすなら、下手にこれらの効果を狙わず、大量に選択肢を用意して「種類が豊富!」と謳ってしまった方が効果的でしょう。
日本人は他国の人と比べても無難な選択を取りやすいですし、「皆が選んでるから~」といった集団心理を抱く傾向もあります。
このような傾向に上記の心理誘導を絡めることでより高い効果が期待できるでしょう。
良い商材を見つけたら、その上位・下位互換の商材(型落ちや最新モデル等)も見繕ってみましょう!
フレーミング効果
フレーミング効果とは、同じ意味や結果であっても表現や状況の違いによって解釈が違ってくる効果を指します。
例えば、成功率が80%の手術があるとします。
「10人中8人助かる」ということですが、これを「10人中2人も亡くなる」と言うとどうでしょう?
後者の方が悪い印象を受ける人が多いはずです。
このように、同じ意味でも表現を変えるだけで印象が変わるのです。
これをうまく利用すると、良い印象に変えることもできます。
戦績が「2勝8分け」のスポーツチームがあるとしましょう。
このままだとイマイチ決定力に欠けるような印象がありますが、「10戦無敗!」と言われるとどうですか?
なんだか強いチームに思えてきませんか?
使い方によっては、デメリットをメリットであるかのように伝えることもできるでしょう。
比較的簡単に使える効果なので、是非覚えておいてください。
次に紹介するアンカリング効果と併用すると、さらに効果が高まります。
アンカリング効果
アンカリング効果は、提示された数値や情報が印象に残ってそれが基準(アンカー)となり、判断に影響を及ぼしてしまう心理傾向のこと。
例えば、10,000円の商品が「通常価格10,000円→特別価格5,000円」と表示されていたらどうでしょう?
通常価格10,000円が基準になって、半額の5,000円という価格はお買い得だと感じられるはずです。
これをお得と感じるのは、商品の価値を10,000円とみてしまうからです。
見方を変えれば、「半額にしても問題ない商品」「割引しないと売れないような商品」とも考えられますよね。
元々5,000円相当のものだったとしても、この割引の表示をしておくと安いと思わせることができるわけです。
あまり褒められた方法ではないですが…
売れ行きが良く、大量生産されて値段が下がるというのが理想ではあります。
気を付けるべき点は、基準となる数値をきちんと示すことです。
例えば、スーパーなどでよく見かける割引価格のシール。
偶に元の値段の上からシールを貼っていて、割引後の値段しか見えない状態になっていることがあります。
これは非常にもったいないです。
基準となる元の値段が見えた方が、アンカリング効果を得られて売れる可能性が高まります。
割引額が低すぎるとあまり効果は期待できませんが、やらないよりはマシでしょう。
ハロー効果とミルグラム効果(権威への服従原理)
顕著な特徴に引きずられて、他の評価が歪められる現象をハロー効果と言います。
「あばたもえくぼ」ということわざがありますよね。
好きなった相手の欠点さえも長所に見えるという意味ですが、これがまさにハロー効果です。
逆に、一つの悪い点が全体のイメージを悪化させるケースもあります。
とある企業の社員が不祥事を起こした場合、その企業の製品自体には不備が無くても印象が悪くなったりします。
このように、他の特徴や事象によって評価が変わってしまうことが多々あります。
ミルグラム効果(権威への服従原理)は、権威ある人の指示や発言を無条件に正しいものと信じてしまう心理傾向のことです。
簡単に言えば、人は肩書きや権威に弱いということです。
教授や博士、医者、弁護士といった有識者の発言に対して信憑性を感じてしまうはずです。
これらの効果をうまく利用することで成約率UPを狙えます。
テレビCMで人気のタレントさんを起用するのもハロー効果に期待しているわけです。
その人の良い印象で商品の印象も良くしたいという狙いがあります。
但し、先ほど述べたとおりその人が不祥事を起こすと逆にハロー効果で商品の印象まで悪くなります。
そのため、CMなどの違約金は高いのです。
ダイエット商品などの通販でも「○○大学(○○研究所)の研究でその効果が実証されました!」といったフレーズが出てくることがあります。
これもミルグラム効果によって、効果があると信じさせる(良い印象を持たせる)策略なのです。
もし自分の扱う商品やサービスが有名人や有識者も使っているなら、
「○○さんも愛用!」
といったPOPを用意すると、良い商品かもしれないと思ってもらえるかもしれません。
ツァイガルニック効果
ツァイガルニック効果とは、完了したことよりも未完の事柄の方が記憶に強く残るという認知心理学における効果のこと。
要は、チラリズムみたいなものですね。違うか(笑)
"続きが気になる心理"というべきですね。
「続きはwebで!」「続きはCMの後!」という手法は、ツァイガルニック効果を活用した典型です。
ドラマやアニメの続きが気になるのも、この効果によるものです。
情報を完結させないことで視聴者の興味を継続させているわけです。
動画配信サービスでも、一話だけ無料で残りが有料だったりします。
一話試聴すると続きが気になって、残りを買いたくなります。
このような経験がある方は、まさにツァイガルニック効果で購買意欲を掻き立てられたわけです。
面倒な手順が必要だとその間に興味が薄れてしまう可能性があるので、支払い方法や利用・登録方法などはわかりやすくした方が良いでしょう。
スノッブ効果と希少性の原理
スノッブ効果と希少性の原理は、名付け親が違いますが似たような意味を持つ心理傾向です。
簡単に説明すると、手に入りにくいものの方がより価値を感じるというものです。
限定品に弱い人が多いのも、この効果によるところが大きいです。
逆に、欲しかったものが流行したりすると買う気が失せたりすることもあります。
この心理は様々なところで利用されています。
一番わかりやすいのは、タイムセールでしょうか。
短時間だけ安くすることで希少性を高め、購買意欲を掻き立てます。
通販でも、
「~時間以内にお電話いただいた方に限り、~をセットにして税込○○円!」
といったフレーズを聞いたことはありませんか?
これもこれらの効果を期待した戦略と言えるでしょう。
もし、数量限定・期間限定・地域限定など押し出せるポイントがあれば、大々的にアピールしてみましょう!
通販番組は参考になる
上記でいくつか通販の例を挙げていましたが、本当に参考になります。
通販番組は短い時間で成約をとる必要があるため、様々な心理効果を利用して購買意欲を高めてきます。
あるいは、ベテランの実演販売なども参考になるかと思います。
心理効果だけでなく、話のテンポなど学べることが沢山あるのでじっくり見てみると良いでしょう。
ただし、乗せられて自分が沢山買うはめにならないようにだけは注意してください(笑)
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