人に好かれたいなら「五欲」を刺激し満たしてあげれば良い!ただし、一部刺激しない方が良いものもある
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人間関係で思い悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
アドラー心理学(個人心理学)の提唱者であるアルフレッド・アドラー氏も「全ての悩みは対人関係の悩みである」と述べています。
私自身、そこまで人と接するのがうまいわけではありません。
マジシャンなのに…
ですが、そんな私でも人に好かれるために(というより嫌われないよう)意識していることがあるので、それを話題にしたいと思います。
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相手の欲求をうまく利用する
突然ですが、「五欲」という言葉をご存知でしょうか?
五欲は元々仏教用語で、その名の通り人間が持つ5つの欲のことを指します。
食欲、睡眠欲、金銭欲、名欲、色欲の5つです。
色分けしたら戦隊物みたいになってしまいましたね…
人間は生物の三大欲求に加えて、金や名誉に関する欲を持つと言われています。
これらの欲求は人間から切り離せないのものなので、これをうまく満たしてあげることで良い印象を与えることができます。
睡眠欲はこちらからアプローチしにくいのでここでは語りません。
色欲についても、サーバーや広告などの規約に抵触しそうなので控えます…
すみません。
では、残り3つの欲求について語っていきます。
利用しやすいのは食欲!ランチョンテクニックなどが有名
食欲が満たされると幸福感を得られますよね。
心理学の「ランチョンテクニック」を使うと、その幸福感を自分への好意につなげることができます。
「ランチョンテクニック」は、食事を共にすることで相手に好印象を与えやすいというものです。
これはアメリカの心理学者グレゴリー・ラズラン氏が提唱したもので、「連合の原理」という原理を利用したテクニックになります。
「連合の原理」は、関係のない2つの物事が関連したものだと錯覚してしまう心理のこと。
美味しい料理を食べた時の幸福感が自分の印象にまで結びついて、相手の中に「良い人」「話をしていて楽しい人」といったような好印象を残すことができるのです。
さらには、お願い事や交渉事なども受け入れてもらいやすくなります。
商談などで接待を行うのは、この効果を見込んでいるのです。
グレゴリー・ラズラン氏の論文のリンクを張りたかったのですが、見つけられませんでした…
私は英語などが苦手なので見逃しただけかもしれません。
色んな論文の引用を見る限り、1938年の研究のようです。
詳しく知りたい方は、じっくり探してみてください。
私は、心理学を扱った学術誌に掲載されたものまでしか行き付きませんでした。
参考:Razran, G. H. (1938). Conditioning away social bias by the luncheon technique. Psychological Bulletin, 35(9), 693.
金銭欲の利用はトラブルになりやすいので程々に
懐が潤えば嬉しいのは当たり前ですよね。
お金を恵んでくれる人がいたら、私はその人を神と崇めてしまうかもしれません(笑)
しかし、自分が施す側になるというのは少々危ないかもしれません。
言うまでもないと思いますが、お金のやり取りはトラブルを抱える原因になりやすいですから…
諸刃の剣な感じですね。
もし金銭欲を刺激しようとするなら、たまにおごったり、相手がおごってくれそうな時に割り勘を提案したりする程度にしておくべきでしょう。
この時、「今日はおごるから次はおごってよ」みたいな発言は控えた方が良いと思います。
金銭欲を刺激するのとは真逆の発言ですし、既に親しい間柄でないと気分を害するかもしれません。
言わない方が逆に「返報性の原理」によって次におごってくれる可能性が増す気がします。
「返報性の原理」は、人から施しを受けたらお返しをしたいと思ってしまう心理作用のこと。
しかし、払ってくれるのが当たり前と思われるのも良くないので、それも程々が良いとは思いますけどね。
石油王や富豪なら話は変わるでしょうけど(笑)
名欲を満たすのが一番コストパフォーマンスが高い
私が重要だと考えているのが「名欲」です。
名欲というのは権力や名誉ある立場になることを望む欲求ことで、自己顕示欲や承認欲求などはこれに属します。
他人に良く見られたい(かっこいい、かわいい等)、すごいと言われたい(褒められたい)という欲求です。
何故一番名欲が重要だと思っているかというと、他の欲求はある程度満たされている状態である可能性が高いからです。
普通であれば(困窮していなければ)、100%とはいかないまでも日常生活の範囲でそこそこ満たされるはずです。
しかし、名欲に関しては、余程の人気者や美男美女でもなければ基本満たされている方が珍しいです。
各種SNSや動画サイトの発展で昔よりも満たされやすい環境ではありますが、それらで注目されようと必死になる人がいるのも確かです…
これ以上は話が大きく逸れそうなので、流れを戻して名欲を刺激する方法について書いていきます。
といっても、難しいことではありません。
相手を褒めろ!ということです。
実に単純明快ですね。
「おいおい、そんなことくらい言われなくても分かってるよ。」と思ったでしょう。
しかし、素直に人を褒めている人は案外少ないのです。
合コンなどで異性を褒めることがあるかもしれませんが、それは自分が気に入られようとして出る言葉ですよね。
本当に他人を褒めたことってどれくらいありますか?
小さい子供を褒めることはあっても、大人を褒めることは意外と少ないと思いますよ。
ホストやホステスに入れ込む人が多いのは、ナチュラルに人を褒められる方が多いからではないでしょうか。
相手を褒めることは重要なのですが、それ以上に重要なことがあります。
一番重要なのは、相手を否定しないこと!
名欲を刺激することは印象を良くする手段として有用ですが、金銭欲と同様にそれなりのデメリットもあります。
それは、下手をすると余計に印象が悪くなってしまうということ。
人間の脳は褒められたことよりも否定されたり、怒られたりしたことの方が記憶に残りやすいと言われています。
そのため、褒めること以上に相手を否定しないことが重要になります。
例えば、スタンフォード大学のクリフォード・ナス教授はニューヨーク・タイムズに載せた記事で、「人は『肯定的な情報』と『否定的な情報』をそれぞれ脳の別の部分で処理しており、一般的には『否定的な情報』の方がより多くの思考を伴い詳細に伝わる」と語っています。
参考:Tugend, A. (2012). Praise is fleeting, but brickbats we recall. The New York Times, 23(3).
2020年1月にクイーンズランド大学のロイ・ボーメイスター教授とジャーナリストのジョン・ティアニー氏が出版した「The Power of Bad」においても、人間関係を長続きさせる方法として「相手を否定しないこと」が挙げられています。
参考:Negativity Can Ruin Relationships - The Atlantic
他にも多くの学者が同じように語っています。
それだけ否定というのは良くないわけです。
しかし、反射的に相手の発言を否定しまった経験のある方も多いのではないでしょうか?
私も何度もあって、直後に「しまった…」と反省しています。
相手を否定しないよう注意する方法はいくつかありますが、私が意識しているのは特定の言葉を使わないようにするというもの。
具体的には、「いや」「でも」「だって」「だけどさ」「どうせ」「っていうか、○○だよね」を使わないように心掛けています。
解説するまでもないですが、「いや」から「どうせ」までの5つは否定の典型的発言です。
「っていうか、○○だよね」は直接的な否定のニュアンスではないですが、決めつけに該当する言葉です。
これは、状況によっては相手を否定することに繋がります。
不意に出ないように、日頃から使わないように意識しています。
この手の言葉は探せばいくらでも出てきますが、自分が頻繁に使っている言葉で該当しそうなものを洗い出してみると良いでしょう。
例えば、「そうは言うけどさ」なども否定的な言葉ですが、私はそのような言い回しをすることが少ないのであまり意識していません。
何故か自分が言うと悪く聞こえる言葉もあるので、自分の話し方に良くない部分がないかを家族などに聞くのも良いでしょう。
言うまでもないことですが、自分が「こういう言われ方をしたら嫌だな」と思う言葉遣いを控えるのも効果的でしょう。
さて、否定が記憶に残りやすいことだけでなく、他にも重要と考えている理由があります。
もの凄く主観的なものですが(笑)
それは、リスクをより軽減できること。
厄介なことに、褒めるという行為はお世辞や慰めと受け取られることもあります。
一方、否定しないよう徹底するだけならそういった問題が起きにくいはずです。
と言っても、褒める以外の会話でも違った意味にとられることはままあるので、そこまで考えていたら会話自体できなくなりそうですが…
「こうするともっと良くなると思う」といったアドバイス風にするという手もありますが、それもリスクがあります。
うまくいけば「この人は自分のことをしっかり見てくれる」と感じてくれるかもしれませんが、上から目線と受け取られる可能性も高い…
他の人が褒めなさそうなところやコンプレックスに思っているようなところを褒めるにしても、喜ばれるとは限らない(嫌味と思われることもある)ため確実とは言えません。
本当にコミュニケーションというのは難しいですね。
書き進める度に段々とハードルが高くなっているような気がするので、今回はこの辺りで終わりにしようと思います。
ここに書いた話はあくまでも参考程度に留めておいてください。
自身の普段の言動や立ち居振る舞いによっても適切な対応は変わってくるので、結局のところは自分に合ったやり方を模索していくしかありません。
皆さんも頑張って、自分に合った術を見極めていきましょう!
この度は最後までお付き合いいただき、誠にありがとうございました。
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