男は本当に察しが悪いのか?男性脳と女性脳で分けて考えるのはあまり良くない
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先日、電車の中で「察しない男 説明しない女」という本を読んでいる方がいました。
男性は察しが悪いという話は色んなところで耳にします。
これに関して、私の個人的な意見を書いていこうと思います。
今回はいつも以上に個人的見解が含まれます。
あまり真に受けず、気楽に読む程度にしておいてください。
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その傾向があったとしても、それは環境や経験の差で性別は関係ない
男の私から見ても、男性は察しの悪い人が多い傾向にあると感じます。
しかし、察しの悪さについて性別は関係ないというのが私の持論です。
男性だからそうなるのではなく、環境や経験が似通うことが原因だと私は考えています。
昔ほどではないですが、日本には「こうあるべき」という価値観が数多く残っています。
「男は仕事、女は家庭」「男性が奢るべき」という大人に対する話だけではなく、「おままごとは女の子向けの遊び」「野球は男の子向けのスポーツ」といった子供に対するものも含めてです。
他には、海外でははっきりと自己主張する人が多いのに対して、日本では「和を乱さない(空気を読む)」ことを重視する人が多いなどが挙げられます。
道徳や倫理観といった教育、日本の文化的習慣など、様々なところでそういった要素は見られます。
これらの善し悪しは話が逸れるのでおいておくとして、こういった様々な要素の積み重ねによって、男女それぞれで行動が似通ってきます。
似たような経験をすると共通点が多くなるため、同性については知っていることや共感できることが増えていきます。
共通点が少ない=察せることが少なくなる
ということに他ならないので、性格を考慮に入れなければ異性について察しが鈍くなるのは必然です。
自分の知らないことは想像のしようもないですからね。
私自身もそうですが、相手が同じ男性なら色々察することができる男性は多いはずです。
同姓の友達が多くなりやすいのもこれが理由でしょう。
このような話をすると「女性は男性の事を察してる」と思うかもしれませんが、これも経験で説明がつきます。
人を知るには先程も語った「様々な経験を積む(共通点を増やす)」ことが第一ですが、他には「人を如何に観察しているか」も重要です。
女性は容姿に気を使っている人が多いため、他人からどう見られているかを注視していますし、同時に他人を観察することも日常的に行っています。
また、子育ても女性が行うことが多く、子供相手に感情を読み取ろうとする機会が多いはずです。
今でこそお洒落をしたり子育てを手伝ったりする男性も増えましたが、全体で見れば女性に比べて少ないのは確かです。
ホストなどをしている男性に察しの良い人が多いのは、着飾ったり相手の話を聞いたりすることが仕事で人を観察する機会が多いからです。
余談になりますが、忙しい時に察して家事の手伝いをしてくれるような男性を探しているなら、ひとり親家庭で育った人を狙ってみるのも有りかもしれません。
お風呂掃除をしたり洗濯物を取り込んで畳んだり、何かしら家事を手伝うことが習慣になっていた人も多いみたいですよ。
もちろん全く手伝いをしてなかった人もいるでしょうけど…
さて、話を戻します。
何故男性は察しが悪いのかという話をすると、男女で脳に違いがあるからと答える方が大勢います。
上にも書いた通り、私はこの「性別による脳の違い」という説を支持していません。
今回一番言いたかったことがこれ。
では、何故そう思っているのかを語っていきます。
男性脳と女性脳に違いはない!?
「男性脳と女性脳には違いがある」と色んなところで書かれていますが、実は具体的な根拠はほとんどないのが実情です。
この説が広く伝わっているのは、1982年にサイエンス誌に掲載された論文が関わっています。
これには「男女の脳梁の太さを比べると女性のほうが太い。よって、女性の方が右脳と左脳の連携が取れている」と書かれていたそうです。
しかし、この研究はたったの14人(男性9人、女性5人)分しかデータを取っていないんです!
その後、再現を試みた研究者も大勢いたそうですが、有効なデータは取れていないようです。
1982年の研究の時は、偶然脳梁の太い女性がいたのでしょう。
完全に個人差ですね(笑)
さらには、2015年に「男女の脳に断定できるほどの違いはない」とする論文がPNASに掲載されています。
こちらは、1400人の脳をMRI検査したデータを比較しています。
データ数が100倍もあるので、こちらの方が信憑性は高く信頼できます。
ちなみに、男性脳と女性脳がそれぞれ持っていると言われている特徴を全て有している人はほとんどいなかったそうです。
定義にもよりますが、一般的に言われている完全な男性脳または女性脳を持っていた人の割合は0~8%程度しかおらず、多くがその中間の特性を示したとのこと。
参考:The human brain mosaic. Proceedings of the National Academy of Sciences, 112(50), 15468-15473.
※タイトルですが、長い上にサーバーなどの規約に抵触しそうな単語が含まれていたので省略しています。
もちろん脳の全てが解明されているわけではないですし、2015年の論文も個々の脳を見ると色々と差異もあったようなので「男女の脳に違いはない」と断定はできません。
しかし、現時点の情報を見る限りでは、性別によって脳に差があるとはどうしても思えません。
【最後に】譲歩が大事!
折角、「察しない男 説明しない女」という本から話題を広げたので、最後に少しだけどうすれば分かり合えそうか考えていきたいと思います。
この手の本は数多く出ていて、なおかつ売れています。
ピーズ夫妻の「話を聞かない男、地図が読めない女」。
心理学者ジョン・グレイ氏の「一人になりたい男、話を聞いてほしい女」(旧「ベスト・パートナーになるために 男は火星から、女は金星からやってきた」)などなど…
このような本が売れるのは、それだけ男女の仲について悩んでいる人が多いからでしょう。
少し過激な発言になりますが、私を含めて「相手への歩み寄り方が下手な人が多いのかな?」と感じてしまいます。
察することや気持ちを話すというのは、大きな括りで言えば「気遣い」です。
相手のことを理解しようとする、あるいは自分のことを分かってもらうように努力するということですから。
それが出来ていないということは、足りていないか方向性が間違っているとしか考えられません。
「何故こっちは察してるのに、あなたは察してくれないの?」と怒る女性や「ストレートに言ってくれ」と要求する男性は多いと思いますが、その発言が出る時点で歩み寄れていない証拠でもあります。
面倒くさいと放棄せず、お互いに確認し合うべきです。
怒るのは何度言っても改善が見られない時でも遅くはないはずです。
それから、「察しない男 説明しない女」というタイトルについて考えてみても、果たして男性は説明していて、女性が察しているのかと言われればそうでもないと思うんですよね。
それに、実際は説明したあるいは察したつもりになっているだけなんてこともありえます…
じゃあ、どうしたらいいのか?という話ですが、正直私も何が正解かはわかりません。
私のコミュニケーション能力が低いというのもありますが、それぞれの環境(どのような人が周りにいるかなど)によっても適切な対応が変わってくるからです。
唯一言えるとしたら、相手に感謝を伝えると良いということくらいです。
素直に「嬉しかったよ」「ありがとう」と伝えてみましょう。
意外とやっている人は少ないです。
五欲の話に通じることですが、褒められたり感謝されると人はやる気になります。
相手が自ら行動するように仕向けたり、さりげなく相手のしてほしいことを聞き出したりすることもできるでしょう。
計算でやるのは良くないですが…
例えば、男性の中には察していても「善意の押し付けになったり間違っていたりするかもしれない…」と考えてしまって、はっきり要求されるまで行動できない人もいます。
これは関係を崩さない(嫌われない)よう慎重になっているわけですが、褒めることで「これはやっても良いんだ」という認識ができるので、次からはちゃんと行動に移してくれる可能性が高くなります。
伝える側としても「○○して欲しい」「○○が嫌だ」と言うのはきつい感じがして躊躇しそうですが、感謝であれば心苦しさはあまり感じないはずです。
少し恥ずかしいかもしれませんけど(笑)
結構有効な手段だと思うので、是非意識してみてください。
私から言えることもほとんどなくなったので、今回はこの辺りで終わろうと思います。
最後までお付き合いいただき誠にありがとうございました。
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